07/11/2007 トイレに籠った人
心折れた鳥が 羽根を休めた場所
それは記憶の街 はしゃぐ君の笑顔
旅人:高杉さと美
小学校5年生の頃。
小さな公園で8人が集まった。
俺「集まったけど何するの?」
みんなを集めさせた張本人M君に訊いてみる。
理由は聞かされていなかった。
M「この後、○○3丁目全体を使った巨大鬼ごっこをやろうと思う」
S「面白そうじゃん」←運動、学力共に優秀。私立へ行った彼。
Y「そんなんでわざわざ呼んだのか」←小柄で脚力は抜群
A「範囲広いな、まあ面白そうだしやったるか」←運動神経抜群。群を抜いてサッカーが上手い。
T「いっけね。この靴新品じゃん」←やる気満々。運動神経超抜群。バスケがすげぇ。
K「えー、何だそれ」←野球上手し。それ以外は微妙。
H「ゼッテー捕まんねー」←サッカー少年。リフティングは神。
…考えると8人も良く集まったものだ。
今じゃ考えられんな。さすがは小学生。時間に余裕しかない。
みんなこの地元に住んで数年のベテラン(?)なのでどこからが4丁目で、どこからが2丁目と言うのは把握していた。
あまりやる気のなかったKを説得し、みんなでじゃん拳。
これがまた、面白い具合に一発で決まる。
見事にKが鬼になる。
足に自信がなく、さらにやる気のない彼。
うーん、実に美味しいじゃないか。
ただ、彼の足の遅さは承知の上だったので、最初のみ、彼に限ってもう1人鬼を追加する。
決まったのはY。彼はかなりの足の速さ。
3丁目は結構広く、隠れる場所も多かった。
それで、当時仲の良かったHと一緒に行動し、少し離れた場所にある別の公園に潜り込んだ。
他のものはバラバラになり、それぞれが逃げ回っていた。
遠くの方からYが叫びながら走っていたりして、様子を見て回避しようと考えていた。
その公園にはトイレとブランコ、滑り台があった。
外ではまず、バレる。
そう思った俺達はトイレに身を潜めて窺おうと決めた(せこい)
小声で話しながら中に入ると、奥の方から何か音がする。
と、文章ではかなり落ち着いて書いているが、かなり怖かった。
トイレの一番奥で誰かがすすり泣いているではないか。
喋ってはいけない、俺達は悟り、息を殺して潜んだ。
言葉に出来ない何かを淡々と呟いている。
怖い。
取りあえず怖い。
何なんだ、この奥にいる人物は。
やがて扉をカタカタ叩いたり、思い切り叩いたり、明らかに荒れていた。
流石に怖くなって、俺達はトイレを跡にした。
……彼は一体何に悩んでいたのだろう。
今でも疑問に残った一つである。
結局その後はすぐに抜け出し、別れ、各々走り回った。
1回も捕まらず、逃げ続けた。
楽しかったね。
走るのは面白い。

↑
も、もう、ちょ、ちょっと?
more open !?
スポンサーサイト
| Home |